保護者面談を実施している中で、塾で作成している『塾ワーク進度表』について説明させていただく機会がありました。
なかなか中学生くらいなると、塾での様子を話したがらないと思いますので、この場を借りて塾でどのように進度表を使っているか、そしてどうやって活用すればよいのか、お伝えいたします。
塾ワーク進度表ってなに?
北大コーチでは、定期テストの2週間前に範囲の勉強が終わるように、予習型で勉強を進めています。
それを実現するために作成したのが、上の写真の進度表です。
どうやって作っているの?
私が傾向を読んで、テスト範囲を予想して作成しています。
予想した範囲を2週間ごとに区切って割り振り、テスト2週間前に完成できるように余裕をもってスケジューリングしています。
6月定期に向けては2週間が4期間でしたが、11月定期に向けては6期間となっています。例年、秋の11月定期が範囲が広くなって大変になスケジュールになります。
進度表が完成したら、塾に置く用と家に持ち帰る用の2枚を渡しています。
どうやって使っているの?
まずは塾プリントで、進度表に遅れないように予習します。
その上で、家庭学習で渡してある塾ワーク(今はiワークを使用)を、家で解いてもらいます。
解いたらノートと進度表を提出してもらい、写真のように検印しています。検印は塾用の進度表にしています。
それで終わり?
教室には『達成度ランキング』を掲示していて、進む度に記録しています。
誰がどのくらい進んでいるのか、一目瞭然です。
進んでいないからといって、「なんでやらないんだ!」と叱ることはありません。たくさん進んでいたら、「頑張っているね、凄い!」と褒めるようにしています。
生徒は我先に完成させようと、競うようにワークを進めています。
進度表の活用のしかた
「勉強しなさい!」といったような、曖昧な言葉を避ける
親から「勉強をしなさい!」と言ってしまうと、いざこざが起こります。
さんざん口ゲンカをしたあげく、「とりあえず勉強したふりでもしておくか…」と中身の伴わない勉強が始まったことはありませんか…?
また「1日◯時間勉強する」と決めても、時間を過ごすだけが目的になってしまいがちです。
そうなると、時間はかけている、机には座っているけども結果が伴わない…そんな状況に陥ってしまいます。
一番効果的なのは、テスト範囲やページ数を示し、明確な進度を伝える方法です。感情的になる必要も、強制的にやらせる必要もありません。
「勉強しなさい!」と言わなくても、表を見れば遅れを自覚します。そして「このままじゃマズイかも…」と危機感が芽生え、自ずと行動するようになります。
自己責任で勉強させる
進度を達成するも、達成しないも、自分次第。中学生になったら、自己責任で勉強をやらせることをお勧めします。
親が介入して勉強をやっても、親が決めた範囲までしか成長しません。
親が介入して失敗したら、自分のせいではないと結果に向き合えなくなります。
少し遠回りしても、最初は失敗しても、自己責任で勉強させた方が結果的に”決められた枠”を超えて人は大きく成長します。
(親=先生と置きかえても、同じことが言えます)
勉強は自分のためにするものです。
試験に挑む時は、自分一人で解くことになります。
本当に子どもの成長を信じているのだとしたら、たとえ思ったように進んでいなかったとしても、待つことです。実は手を差し伸べるよりも、信じて待つことの方がずっと難しいのです。
あえて苦労させ、現実の厳しさを学ぶことが自発的な行動につながります。
競争させる
教室の掲示を見れば、ハッキリと進みの差がわかります。
「アイツ、こんなに進んでいるんだ…」
「自分って、こんなに遅れているんだ…」
いつも生徒は気にしながら掲示を見ています。
残念ながら、点数で目に見えて差がつくのが勉強であり、テストです。
結果を残す人は、掲示を見ても予習ペースに負けず、前へ進み続けています。ワークも「進んだから見てほしい!」と積極的に提出して、検印をもらいにきます。
逆に思ったような成果を出せない人は、ペースから少しずつ遅れるようになり、なかなか検印に持ってこなくなります。
検印に持ってこない人は、たいてい「やろうと思ってもできない」のではありません。
「できなくても仕方ない」とやれない理由・できない理由を探していて、「どうやったらできるのか」という考えができていないのです。
差がつくことを受け入れて、競争に負けない強い気持ちを持って勉強に臨む。そのきっかけの一つが、進度表だと考えています。
進度表と子どもへの接し方
『よく出来たら褒める』が基本のスタンス
ここまで少し「厳しいかな…?」と思うくらいのことを書きましたが、実際には生徒によって調整していますし、心が受け入れられるかどうかを見極めて接しています。
一番誤解してほしくないのが、この進度表は『出来ない人を見つめるためのツール』ではないということです。
まったく逆で『よく出来た時に褒めるためのツール』だと思って活用するのが、大前提です。
「なんでやっていないの」と言わない
人の成長を願えば願うほど、こうやりなさい・ああやりなさいと口うるさく言ってしまったり、「なんでやらないんだ!」と感情的になったりします。(昔の私はそうでした…。)
だからお父さん・お母さん・保護者さんがこの進度表を見る時は、決してワークが進んでいなかったとしても「なんでやっていないの?」と言わないでください。
「この進度表って、テスト範囲なんだって?」
「へぇ〜、いつくらいに終わりそうなの?」
「そっか、じゃあこのままいけば、400点超えられるかもしれないね!」
「先生は検印するのを楽しみにしているみたいだね。」
子どもを他人…友人に置きかえるような感覚です。
友人に対して「なんでやらないの?」「それはおかしい」なんて言えないですよね。子供あつかいせずに、対等な立場だと思って考えます。
たとえ正論であっても、大人の考えを押しつけてはなりません。
常に主語は「私」
アドバイスしたい時があっても、主語は”私”です。
「私は、〇〇〇だと思うよ。」
「私なら、〇〇〇といったようにするな。」
「〇〇〇ができて、私は嬉しい!」
あくまでも”私”が思うだけであって、判断するのも実行するのも”あなた”というスタンス。そうやって置きかえていくと、意見の押しつけにはならずに伝えられます。
思春期の子どもが一番嫌うのは、一方的な決めつけです。
「あなたは〇〇〇なんだから。」
「〇〇〇しなきゃダメ!」
こんな伝え方をしていては、親も子も疲弊していくだけです。
以上です。
書き始めたら思いの外、長くなってしまいました…!
また「塾でどんな勉強をしているの?」という声があがりましたら、すぐにお伝えしていきます。メール・ライン・コメントなど、どしどし声をお寄せください!