こんにちは、北大コーチ松浦です。
今回は北海道の公立高校受験の中でも、とりわけ「受験までの流れ」と「合否の決まり方」について詳しくまとめました。中3受験生のみならず、これから高校受験を受ける中学1.2年生、そして小学生の人にもよく読んでおいてほしいと思います。
入試までに定期テストは9回
中学校に入ってから実施される「定期テスト」ですが、主要5教科に限って数えると年3回、3年間で9回しか実施されません。高校の合否は、この定期テストによって決められる「内申点(詳細は後述)」に大きく左右されますので、非常に重要な試験といえます。
また3〜4ヶ月ごとに実施されるため、試験範囲が広いのが特徴です。小学生のテストと違い、計画的に勉強を進めないと試験範囲の勉強が終わり切りません。部活をやっているとなおさら勉強時間が取りにくいので、日頃からペース配分を考えて勉強に取り組むことをお勧めします。
副教科の定期テストについては、年2回実施されます。夏休み明け(8月)と、冬休み明け(1〜2月)です。特に冬休み明けは主要5教科と同時に受けることになりますので、前持って準備しなければ勉強の手が回らなくなります。
中3の秋からスケジュールが過密になる
中3の9月からは学力テスト(入試と同じ300点満点の実力テスト)が実施され、3ヶ月の間に4回もの試験が実施されます。学力テストは内申点に反映されないものの、12月の三者面談で志望校を決める際の判断材料となるため、志望校に見合った得点が必要になります。
その後は、冬休み明けてすぐに主要5教科+副教科の定期テストがあり、私立入試、公立入試と続きます。塾でも受験対策や模試の回数が増えるので、中3の秋以降はスケジュールをこなしている間に、一気に受験まで時が進みます。(つまり受験を戦う基礎学力は、中3の夏休みまでに身につけるべきなのです)
その他、出願までの具体的な流れについては、北海道学力コンクールのWebサイトも参考にしてください。
内申点の計算の仕方
北海道の公立高校入試は、入試の当日点だけで合否が決まるわけではありません。当日点と、学校の5段階評価の内申点(通称:ランク)の相関関係から合否が決まります。副教科が9教科中4教科を占めるので、そのウェイトの高さに注意が必要です。
また中1から中3まで、すべての学年の成績が内申点に反映される点にも注意が必要です。「中3になってから勉強を頑張ったけど、中1.2の成績が響いてランクが上がりきらない」という現象も起こりうるので、中学校に入学したタイミングでだいたいの志望校を思い描き、どのくらいのランクを目標とするのか考えておくべきです。
計算の仕方は以下の通りです。
[box class=”yellow_box” title=”内申点の計算の仕方”]
・中1:学年末の成績(5段階評価)の9教科合計 ×2
・中2:学年末の成績(5段階評価)の9教科合計 ×2
・中3:学年末の成績(5段階評価)の9教科合計 ×3
これら3つの合計が内申点となります。
※中1の場合は「中1×7」、中2の場合は「中1×2+中2×5」といったように、暫定的に内申点を計算します。
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また3年間オール5で内申点が315点となるのですが、そこから20点ずつ区切ったものが「内申ランク」となります。
Aランク | 315 〜 296点(オール5) |
Bランク | 295 〜 276点 |
Cランク | 275 〜 256点 |
Dランク | 255 〜 236点(オール4) |
Eランク | 235 〜 216点 |
Fランク | 215 〜 196点 |
Gランク | 195 〜 176点(オール3) |
Hランク | 175 〜 156点 |
Iランク | 155 〜 136点 |
Jランク | 135 〜 116点(オール2) |
Kランク | 115 〜 96点 |
Lランク | 95 〜 76点 |
Mランク | 75 〜 63点(オール1) |
自動計算フォームがありますので、こちらを利用すると簡単に計算できます。
合否の決まり方
当日点と内申点による合否の判断について
内申点の計算の次は、合否について詳しく見てみましょう。前述の通り、「当日点(入試の点数)」と「内申点(内申ランク)」の2つを総合して合否が判断されます。相関関係については、以下のとおりです。
[box class=”yellow_box” title=”当日点と内申点の相関関係”]定員の70%を、当日点と内申点を同等に評価(当:内=5:5)
定員の15%を、当日点を重視して評価(当:内=8:2 など)
定員の15%を、内申点を重視して評価(当:内=2:8 など)
※当日点重視と内申点重視の比率(8:2など)は学校によって異なります。
※傾向としては、上位進学校ほど当日点の比率が高くなっています。[/box]
道コンのホームページにも詳細が載っています。
実際はどうやってボーダーラインを読む?
では、実際に私が進路指導をする際に15%枠まで考えるかというと、そういうことはほとんどありません。あくまでも15%枠は、何らかの事情で内申点が低かったり、あるいは当日に著しく体調を崩してしまった人への救済措置の意味合いが強いため、狙ってそこに入ろうと目標を立てること自体、難しいものがあります。
塾で進路指導を行う際には、(1)入試のボーダーラインから目標点を決め、(2)学力ABCや道コンの得点をもとに実力を判断します。
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こちらは過去の投稿ですが、2016年3月の公立高校入試のボーダーラインを一覧表にしたものです。何ランクで何点を超えれば合格ラインなのか、ひと目でわかります。塾で進路指導をする際にも使っています。
ただし、裁量問題を採択する高校を受験する場合は注意が必要です。【全員共通の問題】と【標準/裁量問題が分かれた問題】では難易度が異なり、目標点も変わってくるからです。
[box class=”yellow_box” title=”裁量問題の高校を受験する人の目標点の決め方”]
▼中3の11月上旬の学力テストCまでは、一覧表の得点+20点を目標の目安としてください。
→共通の問題となるため、高めの目標点を設定します。
▼中3の11月下旬の道コンからは、表の得点をそのまま目安としてください。
→ここから標準/裁量で問題が分かれるため、表のままの目標点します。
(裁量問題は平均点が20点程度下がります)[/box]
以上です。最後にポイントをまとめておきます。
- 中1の定期テストから内申点に影響する
- 中3の秋からはスケジュールが過密になる
- 志望校に合わせて目標点を決めておく
- その際、標準/裁量の目標点の違いに注意する
塾の方では定期テストや北海道学力コンクールを通して、目標点だったり、志望校合格に向けた状況を伝えるようにしています。ご家庭で進路について話し合う際に、ご参考にしていただければと思います。
もしご質問や不明な点などありましたら、いつでも相談に乗らせていただきます。