冬期講習の効果を倍増させる方法。
冬期講習まであと1週間ほどとなりました。冬期講習は1月9〜11日実施の道コンを目標に総復習の勉強を進めることになります。そのため生徒たちは、冬休み明けの定期テストに向けた予習が一段落した順に、講習専用テキスト『冬特』に100%力を注いで勉強しています。
道コンに向けた勉強の手順は、このようになっています。中学生だけではなく、小学生も同様の手順です。
- 『冬特』を講習前に1周して、道コン範囲の復習を一通り完成させる。
- 『道コン過去問』を解いて、自分の弱点を明らかにする。同時に実戦慣れをする。
- 『塾プリント』で弱点を補強する。
以下に【勉強効果を倍増させる勉強のコツ】を紹介するので、意識して勉強すれば同じ時間取り組んでも、もっと高い成果を出すことが期待できます。参考にしてみてください。
ハイパー修正効果
【一旦間違えてからその後に間違えに気づくことで、その驚きや体験で記憶に残りやすくなる】という学習効果のことです。「間違えたその瞬間が一番脳が学びやすい状態になっている」というのが脳科学により明らかになっています。
塾内の集計でも、講習中に道コン過去問を数多く解いた生徒の方が高得点が取れている、というのがわかっています。これは「解いたらすぐに弱点をハッキリさせて、そこを集中的に見直している」ことに要因があると考えています。まさにハイパー修正効果そのものです。
逆に、テスト本番になった時に答えられなくなる生徒は「調べ学習」が多いです。いつも横に解説や教科書を置いて調べて答えると、わかっているかどうかが曖昧になります。失敗を避けることは、成長を妨げることにつながります。
夏にも紹介したのですが、詳しく知りたい方はハイパー修正効果についての動画を参考にしてください。
ツァイガルニク効果
【完了できたことよりも、達成できなかったことや途中で終わっていることの方が記憶に残る】という性質のことです。
みんなの勉強している様子を見ていると、こんな人をよく目にします。
「今日は数学の平面図形を完成させるぞ!」
(30分後…)
「よし良い感じ、まだまだやるぞ。」
(さらに30分後…)
「進まなくなってきた、でもやらなきゃ…」
やることを決めて長い時間取り組むのは一見良いことのように感じますが、この例のように能率が下がってしまっては本末転倒です。
一般的に30〜40分で集中力が保てなくなってくるので、そこでやることを変えたり、気分転換してみたりするのがオススメです。決めた単元が終わらなくても、問題ありません。やることが残っている方が『ツァイガルニク効果』、気になるからまたやってみようという意欲が生まれるので問題ありません。
作業興奮
【ある作業を始めると、指先や視覚から刺激を受けて集中力が高まり、心理的な興奮やヤル気が生じる】という人間が持っている性質のことです。
つまり、「なんかヤル気が出ない」と悩むよりも、とにかくなんでも良いからやってみたらヤル気が出てくるからそちらの方が良い、ということです。塾に来たら頑張れる、というのはまさにここですね。
家庭学習でオススメなのが、勉強の開始時間だけ決めてみる、という方法です。「何時間やる」ではなく「何時から始める」を決めておけばOK。一度スタートできたら案外集中力が長く保てるはずです。
先程のツァイガルニク効果と併用すると、もっと効果的です。例えば「2時間まとめて勉強する」よりも「30分✕4回、次々と教科を変えて勉強する」方が、高い集中力で長い時間勉強できます。教科の割り振りとやる内容(テキストや単元)だけサッと決めて、カンペキを追い求めすぎないでやってみましょう。
↓参考Webサイト↓
入試の傾向を知っておく。
以前にも似た内容をお伝えしましたが、道コンは最新の入試の傾向を反映することが多いので、あらためてお伝えします。次に紹介するのは、公立高校の合格者平均点の推移です。
国語 | 数学 | 社会 | 理科 | 英語 | 合計 | |
2022年 | 70.0 | 47.6 | 52.9 | 54.6 | 56.1 | 280.3 |
2023年 | 54.2 | 47.4 | 41.0 | 35.4 | 50.6 | 228.6 |
2024年 | 46.4 | 48.8 | 38.2 | 38.5 | 41.0 | 212.9 |
まずはじめに、入試の合計点が大きく下がっているのがわかると思います。22年280.3点→24年212.9点なので、67.4点も下がっています。どこかに「8割400点とれば、SS60超え」というような意識があるかもしれませんが、それは昔の話。500点中400点取れば北高に合格できるのが現状です。今の入試は、得点が渋いのです。
教科別に見てみると、国語の下がり方が顕著です。22年70.0点→24年46.4点なので、23.6点も下がっています。ここ最近の道コンの採点をしていて、得点を取りやすい回と取りにくい回の差が激しいように感じています。取りにくい回は、この国語の得点の取りにくさを反映した結果のように思います。国語の勉強は後回しにしがちですが、道コンや過去問を活用して、色々なタイプの文章や問題に触れて経験を積んでおく必要があります。
次に注意したいのが、平均点が40点を下回った、社会と理科です。昔の感覚だと「暗記教科だから覚えたら得点しやすい」とされがちですが、最近はそうでもありません。記述問題が増えて、考える力が試されます。表面的な言葉を覚えるだけに留まらず、「なぜそうなるのか」という理由まで説明できるように準備しておかないと、答えづらい問題が多くなってきました。この動きには注意が必要です。
英語も平均点が41.0点まで下がって、難しくなっています。暗記して答える問題が減っているのは、社会・理科と似ています。英語は「英語の文章」で答える問題で対応できない人の得点が伸び悩んでいます。小学校低学年レベルの簡単な日本語を英語で表現できるような感覚が必要なので、中1レベルからさかのぼって英作文ができるように鍛えると、答えられる問題が増えます。
最後に数学のみ、平均点が横ばいです。22年は一番平均点が低かったのに、他の教科が難しくなった結果、24年は一番高くなってしまいました。実際解いてみても、問題が易しいように感じます。最後まで山場がなく、解きごたえのある問題がないまま解き終えてしまい、数学が得意な人に取っては不利な出題だと思います。難しい問題を解くことにこだわりすぎず、時間内にミスなく解く練習を忘れずにしておきましょう。
全学年)冬期講習
12月26日(木)〜1月14日(火)の期間で冬期講習を実施します。中3のみ授業数が多いので、12月7日(土)からひと足早く始まっています。
12月上旬に渡した『冬特』『カミングウィンター』ですが、講習までに1周するのが目標です。終わった人から順に道コン過去問を渡すので、早く終わった分だけたくさん過去問に取り組むことができます。道コン本番での自己ベスト更新を目指して頑張りましょう!
冬休み明け1ヶ月で定期テスト。
冬期講習が終わったらすぐ、1月15日(水)から塾の通常授業が再開となります。そして、そこから1ヶ月で定期テストを迎えることになります。
例年多いのが「まだ定期テストまで時間がある」と勘違いして、勉強を先延ばしにする失敗パターンです。冬休みが明けてからテスト勉強を始めても、絶対に時間が足りなくなります。
逆に冬休み前から「定期テストに向けて範囲の勉強を先にやっておこう!」と前倒し勉強をするのが成功パターンです。現時点で勉強の遅れを感じているなら、道コン対策(=復習)の勉強よりも、定期テストに向けた勉強を優先しても構いません。
今から取り組めば、まだまだ出来る対策はたくさんあります。次回2月の定期テストで良い点が取れたら、今の学年の成績も一番良い形でフィニッシュできます。勉強の優先順位をよく考えて、よく相談しながらやることを決めていきましょう。
中3)入試直前連続模試。
2月1日・8日・15日(いずれも土)の全3回で模試を実施します。講習中に案内を配布します。
今後の予定。
中3だけ冬期講習が早く始まるのでご注意ください。
12/21(土) | 中3:プレ道コン | ||
12/24(火) | 通常授業終了 | ||
12/25(水) | 調整日(基本は休講) | ||
12/26(木) | 冬期講習開始(〜14日(火)) | ||
12/30(月) | 年末年始休講(〜1月4日(土)) | ||
1/9(木) | 小学全学年:道コン | ||
1/10(金) | 中2.1:道コン | ||
1/11(土) | 中3:道コン | ||
1/15(水) | 通常授業再開 | ||
2/1(土) | 中3:道コン(入試直前連続模試) |
教室長松浦の”ボソッと”
▼このコーチ通信を書く直前、インフルエンザにかかった。40℃の熱が3日間出て、20年ぶりに体重が60㎏を下回った。おかげでホッソリ。▼生徒からも「熱が出た」と相次いで連絡が入る。この時期にこれだけ流行ったのは、久しぶりな気がする。トリプルデミックなんて言葉もあるらしい。恐ろしや。▼一方教室に来た生徒は、小学生は講習テキスト『カミングウィンター』の完成を目指して競うように解いているし、中学生も「冬特完成しました!」という嬉しい報告も出て来て。前向きな行動が目立つ生徒が増えて来て、嬉しい限り。▼冬期講習、道コン、定期テスト、そして入試が続くので、ホント冬は忙しい。忙しいけれど、それを乗り越えて成長する人が多いのも冬だったりする。けっこうワクワクしながら講習の準備をしています。