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コーチ通信【23年10月20日号】

進捗状況。

10月に入ってから、塾プリントや塾ワーク、学校ワークの進捗度チェックを行いました。ブログにも書きましたが、このような状況でした。

  • おおむね全体として、前回6月の定期テストよりも進みが良い。
  • 塾プリントの予想テスト範囲が8割以上完成している人が大半。学校ワークも同じくらい埋まっている。
  • 400点以上、もしくは400点近く取れている人は塾ワークまで手が付けられている。350点を下回る人は日々の勉強に追われている。

前回の6月定期テストの反省を活かして、早くから取り組んだり、言われる前から準備をしている人が増えている印象を受けました。素晴らしいと思います。

一方で、先延ばしグセが直らず、行動が変わらないままの人もいます。それは今からジタバタしてもどうにもならないので、出来ることに的を絞って最善を尽くすようにしましょう。

個別に伝えていますが、テスト前にやるべき勉強を、目標点ごとに振り返っておきます。

目標点が350点までの人

進捗度チェックの時には、学校ワークがたまりがちの人が多かったです。

まずはそれを完成させるのが最優先。完成させたら、テスト範囲が出る2週間前のタイミングから、学校ワークを2周・3週とくり返し解くようにしましょう。(2周目以降は✕印のみ)

塾ワークのことは一切考えなくてOK。やるとしても、学校ワークが復習の軌道に乗ってからです。

塾プリントは、理解しにくい数学・英語を一緒にやりましょう。理科・社会は覚える教科なので、確認テストとして解きます。時間が足りなかったら、塾プリントのやりこみよりも学校ワークの反復学習を徹底します。そのくらい学校の勉強が大事です。

目標点が350点~400点の人

進捗度チェックの時には、ほとんど学校のワークが埋まっていました。滞りなく学校ワークが完成するので、3周以上復習できるように取り組みましょう。(2周目以降は✕印のみ)

塾プリントも早々に1周完成するので、2周目以降は「チェック」だけどんどん解いて、✕が多い単元だけステップからしっかりやるようにしましょう。

塾ワークは、ザっと解いた後に2周目までやり切りたいところ。可能であれば3周しましょう。

目標点が400点超えの人

進捗度チェックの時には、学校のワークがほぼ完成、塾ワークまで取り組んでいる人が多かったです。塾プリントもほぼ完成していました。

学校ワーク・塾ワーク・塾プリントのすべてを3周以上くり返しましょう。塾プリントは、チェックのみでグルグル回して、記憶の抜け落ちを防ぎます。

その上で、iワークプラス(小冊子)や過去問で、定着度をチェックします。そこで抜けが発見できたら、重点的に復習するようにします。

生存バイアス。

下の写真は、第二次世界大戦の時に生きて戻った航空機の損傷個所を示すものです。赤い点が損傷のあった場所になります。

引用元)https://ja.wikipedia.org/wiki/生存者バイアス

さて、ここで質問です。
あなたが研究者なら、生還率を上げるために航空機のどの部分を強化しますか?

・・・・・

・・・・

・・・

・・

多くの研究者はこう考えました。「損傷が多かった場所の装甲を厚くすべきだ」と。きっと皆さんの多くが同じ考えだったのではないでしょうか。

ところが統計学者のエイブラハム・ウォールドさんは違って、こう考えました。

「得られたデータは生還した航空機のものだ。写真ではコックピット周辺・エンジン部分・両翼中央部分・胴体後方部分はまったく損傷を受けていないように見える。しかし、データは生還した航空機のみから得ているので、むしろ損傷のない場所を強化すべきだ」と。

写真の損傷してない場所にダメージを負った航空機は撃ち落された可能性が高い。だからデータにないものを考慮する必要がある、ということです。

このように、失敗した対象を見ずに成功した(=生存した)対象のみを基準にして偏った判断をしてしまうことを【生存バイアス】と言います。

得点UPバイアス。

得点UPを果たした時にも、同じような現象がしばしばおきます。

例えば「350点から400点に得点UPして、次は450点を目指そう!」という人がいるとします。さて、何をすればその目標が達成できるのでしょうか。

よくあるのが、間違えた問題だけを見て「難しい問題集をたくさん解けば得点が上がる」と勘違いするケースです。その結果、出来ていた問題でミスが重なり、伸び悩みにつながってしまうことがあります。

先ほどの航空機の例にならえば、出来ていないことばかりに目を向けるのは、損傷のある場所の装甲を厚くするのと同じです。では勉強における”損傷場所のない場所”は、何にあたるのでしょうか。

私の経験からすると、目の前の目標である定期テストにおいては、損傷のない場所=学校ワークであると考えてます。高得点を安定して取る人に限って、一度解いて満足せず、3周・4周・5周…とくり返し解いています。

では得点の高い人がなぜ4周も5週もくり返し解けるかというと、【①解くスピードが速い】か【②勉強量が多い】かのどちらかに当てはまります。①は勉強の積み重ねや持ち前の能力の影響が強いですが、②は違います。時間を効率よく使ったり、早い時期から始めたりすることでいくらでも補うことができます。

もし難しい問題集を解くとしても、学校ワークを犠牲にしてはなりません。生還=得点UPの肝心かなめだからです。先にすべきは、時間の使い方を見直したり、学習量を増やしたり、難しい問題集を解くための時間を新たに作ること。それが勉強において、損傷のない場所を強化するということです。

一方で、航空機の例で集まらなかったデータ(=生還できなかった)にあたる、得点が伸び悩むケースにも目を向けると、同じことが言えます。生還するために必要な場所=学校ワークをしっかりやり込むことが重要です。

私の経験では、伸び悩む人はテスト直前になって学校ワークを埋めています。赤ペンで答えだけ書きこんでいたり、1周だけ解いて終わったりしています。それでは身につかなくて当たり前です。その現状を変えるなら、この3点を意識して取り組んでください。

  • 人より早く準備を始める
  • ②塾にたくさん来て勉強量を増やす
    (理解が深まり解くスピードが上がる)
  • ③やることを大事なことに絞る
    (そのかわり絶対にやり切る)

①はこれからの課題、今できるのは②と③です。

このお便りが届くころにはテスト2週間前、正式なテスト範囲が配られているはずです。バイアスにとらわれることなく、各々が目標達成に向けてすべきことを、愚直に行動していきましょう!

にちべん。

日曜勉強会、略して【にちべん】。今回は定期テスト前に合わせて、10月22日(日)と29日(日)の2回実施します。朝10:00から夕方16:30まで、1日あたりたっぷり6時間の勉強時間を確保しています。

時間があるようで、使い方が難しい日曜日。ぜひ教室で一緒に勉強して、充実した1日にしましょう!別途、申込が必要です。

中3の土曜講習+連続模試。

9月から始まった【土曜講習+連続模試】も半分くらいの日程を消化し、後半に入っています。講習や模試を通して、中3が受験ペースをつかみ、ひと回り大きく成長したように感じています。

以降、10月21日(土)に道コンを実施し、11月25(土)まで続きます。模試の日は9:30開始、講習の日は12:30開始となっているので、日程や時間帯をお間違いなく。

🐦 教室長松浦の”ボソッと” 🐦

▼最近、広島県の安芸高田市の市議会のYoutubeにハマっている。▼理路整然と議論を進め、信念にもとづいて政策を実行する41歳の市長と、旧態依然として感情や忖度で物事を決める議会の対立。リアル半沢直樹だ。▼バイアスにとらわれ、「そうに違いない」と自分にとって都合の良い思い込みにとらわれると、正しく物事が判断できなくなる。▼教室では、本質に気付き始めた人が増えているように感じる。定期テストの結果に期待がふくらむ。

塾の日々
個別指導北大コーチ